11/03/24●グーグルが敗訴、デジタル書籍和解案、米連邦地裁が認めず! 印刷

 グーグルが進めている書籍の電子化(Google Books)をめぐる訴訟(クラスアクション)で、出版社や一部の著作権保持者とグーグルの間でまとまった修正和解案について、アメリカの連邦地裁は3月22日、その承認を拒否した。フーグルはこれで事実上敗訴した。

 ニューヨーク連邦地裁のデニー・チン判事は、拒否理由を次のように述べている。

 「書籍のデジタル化や、誰もがアクセスできるデジタル図書館の創設 は多くの人に恩恵をもたらすだろう。しかし、和解案はグーグルに『著作権者の許可なくあらゆる書籍を利用する権利』を付与するもので、『非常に行き過ぎた 点』があり。公正さ、適切性、妥当性に欠ける」
 2009年に日本でも大騒ぎになったこの問題は、こうしてあっけなく終わった。 

     

  米作家協会(Authors Guild)と米出版社協会(Association of American Publishers、AAP)は、この判決を歓迎し、グーグルとの再修正協議を求めている。判決はグーグルが修正和解案で得る排他的な利益だけを問題にしているので、この拒否により、グーグルがどうでんできなくなったことは、出版社側にとっては歓迎すべきことだ。和解案を批判してきたOpen Book Alliance (OBA)も、公共電子図書館の創設に向けた協議を呼びかけている。
 
 グーグル側のヒラリー・ウェア弁護士は、今回の決定は「明らかに期待はずれ」で、グーグル側の選択肢を検討したいと述べるにとどまったが、すでにグーグルのビジネスは、単なるブックスキャンだけではなくなっているので、

 いま考えると、いったいあの騒ぎはなんだったのかと、ばかばかしくなる。