11/04/15●2015年の電子書籍市場は3501億円に拡大という予測が。あり得るのか? 印刷

MM総研は4月14日、ウェブアンケート調査「電子書籍サービスおよび電子書籍端末の市場展望」の結果を発表した。 有料電子書籍の利用者127人に電子書籍の利用ジャンルおよび購入金額をアンケート調査。それを分析した結果、同社が算出した2010年度の電子書籍サービス市場は640億円。これが2015年(5年後)には、なんと3501億円に成長するという。

   とすれば、いまの市場規模の6倍になるということだが、実感としては、とてもじゃないが、そんな規模になるとは思えない。日本市場はアメリカと違い、いまのところ電子書籍リーダーもタブレット端末も普及していない。携帯に偏った市場だけに、この状況が変わらないかぎり、現在の6倍になるなど、考えられない。

      

 同調査によると、2010年における電子書籍の利用状況は「有料コンテンツ」が5.1%、「無料コンテンツ」が13.4%。有料・無料を問わず電子書籍を利用すると回答した462人に電子書籍を読むのに利用する端末を聞いた結果、「携帯電話・PHS」28.8%、「デスクトップPC」23.4%、 「ノートPC」19.7%、「iPhone」11.3%、「iPad」5.4%となった。

  また、市場640億円の内訳は、「書籍」 362億円、「雑誌・マンガ・写真集」278億円。「書籍」 362億円といっても、ほとんどがコミックだ。

   市場規模の根拠になる電子書籍端末出荷(または販売)台数は、 現在(2010年度)の113万台(電子書籍専用端末が16万台、タブレット端末が97万台)から、2015年度には639万台(電子書籍専用端末が198万台、タブレット端末が441万台)まで拡大するという。これに伴い、 電子書籍端末の利用者数も2015年度末には1696万人(電子書籍専用端末が506万人、タブレット端末が1190万人)になるという。

「電子書籍サービスおよび電子書籍端末の市場展望]

http://www.m2ri.jp/newsreleases/main.php?id=010120110414500