11/04/26●日経新聞の有料会員数はなんとわずか13万人。紙読者の4%強 印刷

4月25日、日本経済新聞は、「日経IDの会員数が100万人を突破」というプレスリリースを発表した。「日経ID」というのは、日経が提供するインターネット上のサービスを利用したり、主催・後援するイベントに参加したりするための共通IDシステム。日経によると、このうち84万人が日経電子版にも登録している電子版会員(有料、無料)であり、有料会員数は13万人だという。

  この13万人という会員数は、多いのか少ないか?

  もちろん、ビジネスとしての電子新聞を考えるなら、話にならないくらい少ないと言うしかない。日経新聞の朝刊発行部数は約300万部とされるから、それと比較すると、わずかに4%強の人しか電子版に加入していないことになる。 これでは、紙の収益がなければ新聞の電子版は成り立たない。

  じつは、日経新聞の発行部数300万部は、世界の経済新聞の第一位。日経新聞に続くのは、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙(WSJ)の約150万部。ところが、WSJは電子版の有料会員数が100万人を超え、世界で唯一電子版でのビジネスモデルを成功させている。

  では、この違いはなんだろう?答えは単純。情報の質を除外視して言えば、日経新聞が日本語というローカル言語で情報発信しているからだ。世界標準語の英語でないかぎり、ネットの世界では成長は見込めない。