11/08/17 ●グーグルがモトローラを買収!アップルと全面対決の波紋 印刷

グーグルは15日、米通信機器大手モトローラ・モビリティを買収すると発表した。買収額は125億ドル(約9600億円)。米欧の独禁当局の承認を得て、2011年末か2012年初めに買収を完了させる予定という。モトローラ・モビリティは、モトローラが分社化して発足したもの。端末市場で不振に陥っていたモトローラだったが、この分社化を機にAndroidへのシフトを進めてきた。そんなモトローラ・モビリティをグーグルが買収する意味は大きく、業界に大きな波紋を巻き起こしている。

 

  まず、グーグルが本格的なハード事業を手掛けることになったことで、アップルの「iPhone」との競争が激しさを増すこと。それにともない、グーグルがアップル型の垂直統合ビジネスに転換していくことでなにが起こるかが、まだよく見えないこと。さらに、すでにAndroidを採用している日系メーカーや韓国サムスン電子などが、今後どうなるかということ。

  グーグルはAndroidのライセンスはこれまで通りオープンとし、モトローラ・モビリティのビジネスはそれぞれ分けると表明している。しかし、今後のグーグルは、ハードとソフトの両方を手掛けるのだから、ハードの売り上げに大きな関心を持ってくるのは確実。となれば、Androidを採用しているハードメーカーの立場は苦しくなるのは間違いないと見られている。

 「グーグルのモトローラ買収は、韓国の大企業がソフトウエアとハードウエアをともに備えたグローバル企業の下請け業者に転落する時代が来たことを示すシグナルだ。ソフトウエアがなく、ハードウエアだけを持つ韓国の大企業は結局圧倒されてしまっている」と、韓国のソフトウエア業界大手、安哲秀(アン・チョルス)研究所の創業者として知られる安哲秀・ソウル大融合科学技術大学院長は、17日、朝鮮日報のインタビューに応えている。日本のメーカーの立ち位置も同じである。