12/06/02●日販の決算14年連続減収も大幅な増収に!注目は書籍返品率の改善 印刷

日本出版販売は、6月1日、同社の第64期(H23.4.1~同24.3.31)決算を発表した。それによると、単体の売上高は5895億1800万円で、前年比2.1%減。前年度からは125 億0700万円の落ち込みで、これで売上高は14年連続の減収となった。営業利益は147億2400万円(同5.0%増)、経常利益は41億3300万円(同8.4%増)、当期純利益19 億2500万円(同43.0%増)で、営業利益、経常利益とも過去最高額を記録した。

ただし、この記録は、「昨年度、東日本大震災で被災書店の請求を先送りするために貸倒引当金を計上していたが、当期にほぼ全額が入金されたことで増益となった」(平林副社長)とのことで、実際は減益決算。

この決算と併せて注目されたのが、利益確保に貢献した返品率の改善。雑誌が35.8%、書籍が33.5%と発表され、書籍の返品率が雑誌を下回ったのは「歴史上初の出来事ではないか」と、業界で話題になった。日販では、2015年までに書籍返品率を25%にするという目標を掲げており、その返品コストの差額を書店への利益還元の原資にするとしている。