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山田順プライベートサイト

A ROAD TO HEAVEN
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    Welcome to My  Website

     このサイトは、山田順の個人的なウェブサイトです。

  コンテンツの一部は情報発信のために書いていますが、ほとんどは個人的な記録の蓄積を目的としています。

 

 *このサイトのイラストは、「海の素材屋」
(http://uminosozaiya.com/)のフリー素材を使わせてもらっています。
 素晴らしいイラストをありがとう。 
 

  以下のブログとは別にメールマガジン(有料)
 を発行しています。

 こちらから→http://foomii.com/00065

  

 また、YAHOO!ニュース「個人」欄でコラムを
   書いています。

  こちらから→http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamad

  

 産経新聞運営のサイト『IRONNA』 でも
 コラムを書いています。

  こちらから → https://ironna.jp/blogger/97

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  こちらから → https://www.facebook.com/profile.php?id=100062248806504

 最新刊3冊

   

『米中冷戦 中国必敗の結末』(MdN)

https://books.mdn.co.jp/books/3219403034/
『コロナショック』(MdN新書)

 https://www.amazon.co.jp/gp/product/4295200077?pf_rd_r

『コロナ敗戦後の世界』 (MdN新書) 

https://www.amazon.co.jp/コロナ敗戦後の世界-MdN新書-山田-順/

dp/4295200913/ref=sr_1_2?dchild=1&qid=1606968867&s

=books&sr=1-2 

 

近著4冊

  

永久属国論(さくら舎)

www.amazon.co.jp/o/ASIN/4865811176/hnzk-22

東京「近未来」年表 (さくら舎)

 https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784865811773

希望の地としての新興アジア

-私たちが失ったものがそこにある(実務教育出版)

地方創生の罠-イースト新書(イーストプレス)

隠れ増税(青春出版)

https://www.amazon.co.jp/dp/4413045114

     

 



[309]夏が去って秋が立ち、なにもかも変わっていくなかで---。
2018年 9月 24日(月曜日) 11:57

最近、減量のために食事を野菜中心にして量を減らし、なおかつ、毎日のようにウォーキングしている。先日まではあんなに暑かったのに、もう街は秋の気配が漂い、同じ景色でも違って見える。とくに今年は、秋雨前線が活発で、先週は雨が多く、そのなかを歩いたりした。

 昨日、今日は晴れているが、明日から気温がグッと下がり、天気もくずれると天気予報は言っている。

 

 歩きながら、頭に浮かぶののは、立原道造の詩だ。

「夢はいつもかへつて行つた 山の麓のさびしい村に 水引草に風が立ち 草ひばりのうたひやまない しづまりかへつた午さがりの林道を うららかに青い空には陽がてり 火山は眠つてゐた ――そして私は 見て来たものを 島々を 波を 岬を 日光月光を だれもきいてゐないと知りながら 語りつづけた……」
 これは『のちのおもいに』の冒頭だが、これまで何度、暗唱しただろうか? そのたびに、高原の光景が浮かび、心が澄み切ってくる。若いとき、こういう詩人の生活に本当に憧れた。そうして、この詩にあるように、「見て来たものを 島々を 波を 岬を 日光月光を だれもきいてゐないと知りながら」語りつづけたいと思った。

 

 別の詩『はじめてのものに』の後半「いかな日にみねに灰の煙の立ち初めたか火の山の物語と……また幾夜さかは 果して夢にその夜習つたエリーザベトの物語を織つた」も胸を刺す。
 
海辺で育った私だから、「火の山の物語」と聞くだけで、すごい物語に思える。ここでの火の山は、浅間山だが、後年、ハワイ島に行き、海からマウナケアを眺めて、火の山の物語に思いをはせた。

 今年の秋は、いつもの秋とまったく違った秋になりそうだ。

 

 さて先週は、大坂なおみ(20)フィーバーの1週間だった。全米オープン制覇から凱旋帰国以来、テレビで彼女の顔を見ない日はなかった。東レパンパシフィックの試合結果が、相撲の結果より気になるなどいうことは、これまでなかった。稀勢の里復帰の秋場所も、終わってみれば、白鵬が全勝優勝した。まったく、盛り上がらないとうか、関心外だったのが、自民党総裁選。なにごともなく、安倍三選で終わった。

 日本が置かれている状況は、かなり危機的なのに、安倍内閣は日本人の政治への関心を奪い続けている。このまま、あと3年も安倍内閣が続けば、日本の危機はさらに深まるだろう。

 

 大坂なおみ選手の快挙は、日本人の意識を大きく変えるという話がある。たしかに、そうかもしれない。NYTは、そのような記事を掲載し、日本人は血統的な日本人だけではなくなっているとした。

 スポーツ紙は、大坂なおみ選手がこのまま東京五輪に日本代表で出場するかどうかに注目し、大坂選手以外にも、日米“二重国籍”選手の動向が注目されている。

 たとえば、スポーツクライミングのリードとボルダリングの19歳以下のカテゴリーで3年連続世界ランク1位の白石阿島(17)、サーフィンで全米オープンを連覇した五十嵐カノア(20)などだ。

 

 二重国籍の問題がこれほど騒がれたのは、あの蓮舫事件以来だろう。しかも、今回は蓮舫のときとは違っている。22歳までに国籍を選択しなければならないという日本の法律が問題視されている。

 日本は二重国籍を認めていない。22歳になったら選択を迫られる。だから、娘の友人の日米ミックスドの子供と親はこの問題に悩んできた。ただ、罰則がないため、問題が起こらない限り、手続きをしないで放置している人間が圧倒的だ。

 日本は、「あいまい」の国である。政治決定の多くは「御都合主義」で行われている。よって、大坂選手は22歳になってもなにもしなくもいいのではないだろうか?

 いずれにしても、1度日本代表を選択しているので、東京五輪は日本の代表選手として出場する。

 

 以下、「Yahoo」に大坂なおみ選手の問題について書いたら、何通もメールが来て、かなりバッシングされた。タイトルが誤解を招いたが、日本人を「」を付けて「日本人」としたのは、旧来の価値観の日本人という意味だ。

 しかし、日本人である以外に自分に誇りを持てない人たちは、こういう書き方が気にいらない。この記事が、大坂選手をクサしていると思い込んで、文句を言ってくる。まったく、逆なのに-------。

 本当に、情けない。以下、その記事を再録する。

続きを読む...
 
[308]記録的酷暑、自民党総裁選、トランプ、男・山根劇場の2週間
2018年 8月 11日(土曜日) 12:05

本当に暑い。天が怒り狂ったとしか思えない「猛暑日」が続いている。テレビでは連日、温度計を持ったレポーターが「なんと40度を超えています」と、全国各地からレポートしている。そのレポートを見るたびに、さらに暑くなるからたまらない。

 幸い(本当は不幸)仕事がなく、エアコンを効かせて家にいるから、救われている。朝から30度を超えるなか、仕事に出かける人たちに、本当に同情する。

 

 すでに8月も10日が過ぎたが、この猛暑は、例年より圧倒的に早く梅雨明けした7月初旬から1カ月以上も続いている。この間、西日本では大雨による大規模災害が起こったが、それが過ぎると、気温は上がりに上がった。

 岐阜県多治見市では7月18日に40度超えを記録すると、7月23日にも40.7度を記録した。この日は、東京都青梅市でも午後1時前に40.3度を記録し、都内で初めて40度超えとなった。もはや「記録的」という言葉は聞き飽きた。

 

 この酷暑は、日本だけではない。東アジアはもとより、アメリカでも欧州でも起こっている。昨日は、北朝鮮でも連日40度を記録し、作物が壊滅的な被害を受けているという報道があった。

 心配なのはカリフォルニアで、山火事が続いて死者が出ている。ヨセミテはどうなってしまうのだろうか?アリゾナでは120度(華氏)まで気温が上がり、飛行機が浮力が得られないためにテイクオフできなくなったという。娘が住んでいるNYも猛暑で、市当局はホームレスにクールシェルターに避難するよう、何度も呼びかけている。

 

 8月10日、気象庁の異常気象分析検討会は臨時会を開き、7月上旬の西日本豪雨と、その後の記録的猛暑は、ともに偏西風が大きく蛇行したことによって起きたと分析した、とニュースが伝えていた。「30年に1度以下の頻度で起きる異常気象の連鎖と考えられる」というのだ。

 しかし、分析はどうでもいい。いくら分析しても、気候だけは打つ手がないのだから----。陰謀論によれば、気候変動は世界支配層が「気候兵器」でつくり出しているというが、これだけ暑いと笑い話にもならない。

 

 そんななか、安倍首相は三選に意欲満々で、派閥固め、地方票固めに忙しい。なんで、それほど首相を続けたいのか?すでにアベノミクスは失敗が明白になり、これ以上異次元緩和を続けると、本当にクラッシュが訪れる可能性がある。この借金まみれの国がいつまで持つと、この人は考えているのだろうか?

 いずれにしても、東京オリンピック後は危ない。だから、そこまでやって逃げればいいということなのか?

 昨日、石破茂元幹事長が国会内で会見し、ついに総裁選への出馬を表明した。そのキャッチフレーズは「正直、公正、石破茂」。完全な当てつけだ。石破はこうも言った。「己に厳しく、他人に寛容なのが保守の神髄と先輩に教わった」

 安倍との一騎打ちは、完全に劣勢とされているが、人間性を問うて戦うなら、案外、面白いかもしれない。

 

 トランプもまた、11月の中間選挙に向けて必死だ。

 ただ、この男の場合、自分だけのために政治をやっているので、考え方は昔のままで、なにも変わらない。中国とのメンツをかけた貿易戦争は下りる気はなく、いずれ、日本の自動車にも関税をふっかけてくるだろう。

 アメコミの読みすぎとしか思えない「宇宙軍」の創設を言いまくり、なんとそのグッズを売り出した。「中国やロシアよりも先に宇宙を支配するべきだ」はわかるが、それをトランプがやるのは許してほしい。まあ、議会が反対するだろう。

 そんななか宿敵「NYタイムズ」が、トランプが「移民の連鎖」と激しく非難していた方法で、メラニア夫人の両親がアメリカ国籍を取得していたことを伝えた。

 

 さて、このような猛暑が続くなか、日本の組織は限りなく腐っているというニュースが続いている。ともかく、組織の会長とか理事長というのは、とんでもなく“悪い奴”、“悪の権化”で、どうしようもないということが定着してきた。日大の田中理事長しかり、ボクシング連盟の山根会長しかりだ。こういう連中を、「ドン」と呼ぶ。ドン田中、ドン山根----いったい、日本にドンはどれほどいるのだろうか?

 

 しかし、このドン山根という78歳男は面白すぎる。いっさい出てこないドン田中と違って、8月2日、FNNの女性キャスターの電話取材に応じて以来、テレビに出まくってきた。ローレックスを売って、160万円、成松選手に即送金した、ボクシングに入れ込んだために喫茶店をやっていた嫁に離縁されたなど、聞いてもいない話までする始末。

 そうして記者会見では「嫁に一生私が守りますと言われたので辞任します」と言ってのけた。

「男・山根」「世界の山根」「カリスマ山根」「歴史の中の山根----今週は、ワイドショーはまさに山根劇場と化した。そのため、高校野球中継のチャンネルを、何度も山根報道のワイドショーに切り替えた。はたして、どれくらい視聴率を取ったのだろうか? かなり気になる。

 
[307]眠れない夜が続くので、いま気になることを書き留めておくことに。
2018年 7月 09日(月曜日) 08:23

このところ、よく眠れない。歳のせいもあるが、いろいろなことが気になるせいもあるだろう。また、すでに真夏になって熱帯夜が続くせいもある。さらに、ロシアW杯の中継が深夜、早朝だから、全部見ると床につくのは朝5時になる。自ら眠れないようにしているようなものだ。

 そこで、最近気になっていることを、以下、全部、書き留めておきたい。

 

・このまま「加計・森友問題」は終息してしまうのだろうか?とすると、この国は「嘘をついてもいい」「文書を偽造してもいい」ということになり、道徳や倫理はなくなってしまうが、それでいいのだろうか?

・安倍首相は3選され、口先だけの安倍政治とアベノミクス(異次元緩和)はずっと続くのか?悪夢だ。

・この首相は外交が得意というつくられたイメージに乗っかって、外遊が大好きだが、先日のG7の醜態は見ていられなかった。やはり英語ができないと困る。誰からも相手にされていない。それなのに、メディアは彼が各国の調整役になれるなどいう絵空ごとを言っている。

・保守政治はかまわない。しかし、なにがあろうと安倍支持はおかしい。なぜネトウヨヨのよな異常な言論にメディアは引っ張られるのか?最近のメディアには、本当に批判精神がなくなった。

・関東は梅雨が明け猛暑、西日本は記録的な大雨で大被害。不思議すぎる。

 

・トランプは単に自分の好き嫌いで政治をやっている。金正恩が好き、プーチンが好きではどうしようもない。

・ワシントンポストによると、トランプは「勝手に電話会談」をやっていて、政府中枢は混乱しているとか。また、ブリーフィングのペーパーは一切見ないとか。

・はたして民主党は中間選挙で共和党を逆転できるのか?民主党を支持するわけではないが、トランプに乗っ取られた共和党よりましだ。

・ポンペオは本当に役立たずの国務長官。北の言うことを聞いて帰るだけのメッセンジャーではないのか?

・先月、10年国債の取引不成立が4日も起こった。異常事態なのに、報道はほとんどなし。このままいくと国債暴落からインフレになるのか?

 

・日本経済は縮小している。この第一四半期、GDP成長率はマイナスに転じた。はっきりと不景気になっているのに、そういう報道がほとんどない。おかしい。

・結局、日本の景気は悪い。将来不安が強い。だから、みな余裕なくイライラ過ごしている。街を歩くと、本当にそう思う。

・ 社会の風通しが悪くなっている。モリカケ問題、相撲スキャンダル、セクハラ事件、日大アメフト事件など、みな密室でものごとが決められ、バレると隠蔽工作。知らぬ存ぜぬで幕引き。これでは景気がよくなるわけがない。なのに、日本国民は、こうしたことを平気で行なっている既得権者のために懸命に働いている。

・中国経済もいまや危機的だ。このままいくとハードランディングもありえる。 

・この先円はどんどん安くなっていくだろう。これだけは確信できる。

 

・眞子さま婚約者、ケイコムロがなぜ全額免除スカラーシップを得てロースクールに留学できるのか?誰かその理由を教えてほしい。

・ロサンゼルスが暑すぎる。なんと摂氏40度を超えている。現在、コンベンションセンターで開かれている「Anime Expo」に娘が行っているので、家内は心配して連絡した。忙しくて気温など気にしていない。それにイベントは室内だ。

・ロスばかりではないNYも異常に暑い。先月行っていたフィンランドも異常に暑かった。気候変動は本当に起こっているのだろう。

・タイで洞窟に閉じ込められた少年たちとのうち4人が、8日にやっと救出された。一安心。

・またも稀勢の里欠場。今場所は誰が優勝するのか?

・日大アメフト事件もまた、なんとなくこのまま終息し、巨悪は生き残りそうだ。本当にメディアの追及は甘い。

・W杯ベスト4が出揃った。決勝はベルギーVSイングランドか?フランスVSイングランドの英仏決戦もあるか?万が一クロアチアが優勝したら、予想家は全員、出直しだ。

 

 というわけで、気になることはまだあるが、この辺のところにしておく。

 
[306]疑問だらけの「エリート局長が息子を裏口入学」と「眞子さまの婚約者が米国留学」。報道の裏側になにがあるのか?
2018年 7月 08日(日曜日) 00:12

先週、報道された2つのニュースは、どうしても解せない点がある。報道されていることの向こう側に、なにか重大な真相が隠されているとしか思えない。

 それがなにかは、あえて書かないが、間違いなく真相は報道内容とは違う。

 

 一つ目のニュースは、文科省のエリート局長が、自分の息子を東京医科大に入学させるために、文科省の予算獲得の便宜をはかったというもの。

 いわゆる「受託収賄罪」事件。言葉を替えれば、「裏口入学」事件だ。新聞やワイドショーは、検察の発表通りの内容をそのまま伝えているが、いまどき、この程度の稚拙な裏口入学をやる人間がいるだろうか?しかも、それが文部行政、大学の状況を知っている役人である。

 驚いたことに、このエリート局長=学術政策局長の佐野太容疑者、医療コンサル会社役員の谷口浩司容疑者は逮捕されている。入学試験の点数を水増ししたと報道されているが、検察にそれを立件できる証拠があるのだろうか?

 いずれにしても、東京医科大の臼井正彦理事長らはすでに辞任した。

 

 

 加計・森友問題も、同じような構造なのに、立件しなかった検察が、なぜ、この程度の事件を立件するのか?これを収賄だと証言する証言者がいるのか?証拠があるのか?この点が、本当に解せない。

 

 裏口入学とは言うが、医学部入学に際して、有力者の子息に下駄をはかせて入学させることは、よく行われている。それに金銭が絡むことがあるが、このようなエリート官僚、しかも文科省の局長なら、こんなわかりやすい予算獲得を取引材料にしなくとも、大学側は無条件で受け入れる。

 本当に、裏取引があったのか?

 

 東京医科大は、このところ赤字経営で内紛状態にあると噂されてきた。そういう裏事情が、今回のことに関連している可能性がある。

 さらに、解せないのが、今回の収賄の対象である「私立大学研究ブランディング事業」だ。これには、昨年、加計学園の岡山理科大学と千葉科学大学が認定されている。かなり、いい加減な補助金だから、なぜ、ここに焦点があたりそうな事件を立件するのか、本当に不思議だ。

 

 

 二つ目のニュースは、眞子さまの婚約者・小室圭氏がフォーダム大学のロースクールに学費全額免除での留学が決したということだ。

 最初に聞いたときは、まさかと思った。なぜなら、このような留学はありえないからだ。この疑惑は、日本の新聞各紙、週刊誌報道に続いて、大学側がサイトで「プリンセスの婚約者が入学」と公表したことで、さらに深まった。

 

 『週刊文春』などの記事によると、彼は今年の2月にLSATを受けたという。ということは、そのスコアで志望をフォーダムにしたのだろうか?

 LSATはフルマークが180(下は120)だから、全米のロースクールランキングで30位以下のフォーダムなら、スコアは150ぐらいだったはずだ。

 ただ、それならなぜ、約5万ドルとされるトゥーション(授業料)が全額免除なるのだろうか? だいたい、アメリカの大学はどこでも、入学申請に学費支払い能力証明に関する書類を添付させる。年間5万ドルなら、少なくとも1000万円の銀行預金残高証明書が必要だ。しかし、年収300万円のパラリーガルで、母親の借金無返済がマスコミネタになっている小室家にそんなおカネがあるのだろうか?

 

 さらに、ロースクールでも3年間のJDコースで、その後NY州の弁護士試験を受験するという。すでに弁護士資格を持っている人間なら別だが、単なるパラリーガルを3年間も面倒を見るということは、一般では考えられない。しかし、小室氏の勤務先の奥野法律事務所は、これをするというから驚く。

 

 というわけで、報道では伝えてられない、見えない力が働いた留学のように思える。実際、『週刊朝日』記事では、次の事実が紹介されていた。

 

《これまでフォーダム大学における返済義務のない奨学金は、年間2万ドル(約220万円)の枠だけであった。ところが、ホームページには、「100%学費免除を受けられる新しい奨学金」として今回、小室さんが給付される「Martin Scholarship」の説明がアップされていた。》

 

 見えない力の源泉は、「プリンセスマコの婚約者、ケイ・コムロ」にあるのは間違いない。ただ、この力を誰がフォーダム側に使ったのだろうか?

 小室氏はまだ内定会見を行っただけで、正式な婚約者ではない。ゆえに、誰がフォーダムに口利きをしたかによっては問題が生じる可能性がある。もちろんそれ以外にも問題は残る。

 いずれにしても「疑惑の留学」であるのは、間違いない。
 
[305]W杯日本代表を批判したら抗議殺到。7割が擁護という気持ち悪さ
2018年 6月 30日(土曜日) 21:35

6月29日、なんと史上最速で梅雨が明けた。青い空、白い雲、吹き渡る風、揺れる木々、眩しい光------すべてがもう真夏を思わせる。現在、サッカーW杯がロシアで開催中だが、どの会場もすでに真夏の雰囲気で、気温も30度以上のところがある。

 

 そんななか、日本代表の予選リーグ最終戦であるポーランド戦が行われたが、最後の10分間あまりで、目を疑うようなことが起こった。会場をつんざくブーイングのなか、日本代表はパス回しを始め、まったく攻めなくなった。これをずっと続けたのだ。1-0で負けているというのに、このまま敗戦で終わっても決勝トーナメントに進めるからである。

 

 しかし、こんなことはしてはいけない。フェアではない。卑屈すぎる。本当にがっかりし、翌日、「Yahoo個人」欄に、『日本と日本人の評判を貶めたW杯サムライブルー。この“茶番”はスポーツを超えた問題だ!』というタイトルでコラムを寄稿した。

https://news.yahoo.co.jp/byline/yamadajun/20180629-00087538/

 

 私が言いたかったのは、こんなことをしたら、日本人は海外での評判を落とす。恥ずかしくないのだろうか?サイムライブルーなどというネーミングが泣く。彼らは、今回のプレー(試合放棄)で、「日本人はいつもフェアで尊敬すべき人々だ」という見方を一瞬にして打ち砕いてしまった。残念でならない。およそ、そういうことだった。

 

 しかし、すぐに批判が殺到した。抗議メールは来るし、ツイート状況を見てみると、炎上ともいうべき状態で、批判(というより怒りと誹謗)の嵐になっていた。以下、そんなメール、ツイートを一部、並べてみる。

 

・山田順、コイツが日本人で一番卑怯で恥ずかしい。

・海外メディアと一緒になって西野を叩くとは、どこまで非国民なんだ。

・頭悪過ぎ‼  FIFAのレギュレーションに従った戦術なだけ。これで日本の評判を貶めたとかどんだけ傲慢なんだよ。

・ところでこいつサッカーの何を知ってるの?

・この手の事を言うおじさんたちには早いとこ隠居して頂きたい。 

・スポーツを何一つ理解していないゴミのような記事。読む価値なし。

・オメーは何様なんだよ。ガタガタ抜かしてる暇があんならロシアのスタジアムでゴミ拾いでもして来いよ。

・BBCの酷評という他人の言葉を借りて、代表選手やそのスタッフたちを貶めるのか! 

 

 SNSで使われる言葉は、相手に面と向かって言えるような言葉でない。その結果、感情がむき出しになる。しかし、それはいいとしても、これは異常だ。彼らは、いったいなにがそんなに不満なのだろうか?日本代表が批判されることが、まるで自分が批判された。そればかりか、自分が全否定されたように受け取って反撃してくる。哀しいとしか言いようがない。

 

  日本代表の戦い方にがっかりし、それを表明しただけで、歌手・小柳ルミ子、女優・足立梨花、俳優・野村周平が同じようように批判されたと報道されている。野村周平の場合、「選手に失礼」「お前何様だよ」といった批判が殺到し、謝罪に追い込まれたというのだから異常だ。野村は、「えー。なにこの試合」と呆れたような一言を投稿しただけというのに------。

 

 さらに驚くのは、ライブドアニュースが、この問題に関してアンケートした結果だ。ライブドアでは「突破できたのでOK」か「リスクを負ってでも勝ちに行って欲しかった」の2択アンケートを実施した。その結果、最終的に5万8540票が集まったが、「突破できたのでOK」、つまり擁護派が73%を占めたのである。《コメント欄には、「反則プレーではないのに批判も何もないでしょ」や「サッカー経験者には分かると思うけど、そういった場面は遭遇するんだよ」「ひとつでも先に進むためには英断だと思う」などと、西野監督の決断を称賛する内容が並んだ。》と、ライブドアニュースは伝えている。

 

 しかし、百歩譲っても日本代表がしたことは、私には受け入れられない。同じ日本人だから応援すべきだろうが、応援する気が失せた。

 なぜなら、彼らは自分たちの運命を自分たちで決めにいかず、他者にまかせたのだ。しかも、セネガルにそのまま負けてほしいと考えたのである。

 一生懸命戦っているセネガルが同点に追いついたら、それですべてがパーになるのに、そういう選択をしたのである。スポーツであろうと、人生であろうと、自分の運命は自分で切り開く。それが当然ではなかろうか。

 そうしない人たちを、応援できるだろうか。これは、日本人だろうと外国人だろうと同じだ。

 

 日本を結果的にアシストしたセネガルのシセ監督は、試合後、日本と明暗を分けたフェアプレー・ポイントの規則について次のように言ったと報道されている。

 「このルールが残酷かどうかはわからない。しかし、イエローカードをもらわないようピッチの上でジャンプしていろと選手に要求することはできない」

 つまり彼は、ルールに対してはあえて批判せず、敗退を受け入れたのである。
「これがフットボール、フェアプレーのルールだ。その点、われわれは劣っていたし、それを受け入れなければいけない」

 しかし、日本はイエローカードを1枚でももらってはいけないと、戦うことをやめ、パス回しをしたのである。

 
[304]G7をぶち壊したトランプ大統領に「ノーベル平和破壊賞」を!
2018年 6月 10日(日曜日) 14:38

トランプがカナダで行われていたG7をぶち壊し、シンガポールへ向かった。この大統領は「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)と言いながら、アメリカの力を衰えさせ、世界から嫌われる「単なるわがまま大国」にしてしまっている。

 トランプの言う「アメリカ第一主義」は、「アメリカ利己主義(エゴイズム)」にすぎない。

 このまま、6月12日の米朝首脳会談で、金正恩の言うことを聞いて、平和条約を結ぶなどと言いだせば、世界は一気にダークサイドに落ちてしまうだろう。

 

 *この記事は「Yahooニュース個人」欄に投稿したものと同じです。

 →https://news.yahoo.co.jp/byline/yamadajun/20180610-00086300/

 

 驚くのは、トランプがG7会談後に、カナダ首相トルドー氏の態度をツイッターで、「会談中は従順だったのに、私がいなくなった後、記者会見で『侮辱的だ』と言った。とんでもなく不誠実で弱虫(very dishonest & weak)だ」と非難したことだ。

 なんと、 「very dishonest & weak」である。これでは、金正恩を「sick puppy」(病気の子犬)と呼んだのと同じではないか。

 しかも、 合意文書を承認しないよう指示した(I have instructed our U.S. Reps not to endorse the Communique as we look at Tariffs on automobiles flooding the U.S. Market!)のだから、国際会議をなめている。いくら、“早退”したとはいえ、いったんは合意した文書ではないのか?

 

 そんななか、Justify(ジャスティファイ)がベルモントステークスに勝って、シアトルスルー以来の無敗の3冠馬となった。スタンドもアナウンサーも熱狂のゴール。なんと、スタートから先頭に立つと、そのまま2400メートルを逃げ切った。4コーナー手前から、Vino Rosso (ヴィーノロッソ)がまくりにいったが捉えられず、直線では内から追い上げてきた欧州移籍馬、ポリトラック4戦無敗というGronkowski (グロンコウスキー)が2着、Hofburg (ホフバーグ)が3着に入った。

 

 ジャスティファイはこれで偉大なアメリカ3冠馬となったが、トランプは、偉大なアメリカの破壊者のままだ。パリ協定から離脱し、気候変動など知ったことではない。TPPから抜けて、中国の拡張主義は包囲しない。ロシアのクリミア併合を許してG7に呼び戻す。自由貿易なんかバカがやること。おまけに、北朝鮮の非核化は「ゆっくりでいい」では、世界はどうなるというのか?

 

 トランプがもしかしたら本当にモノを知らないのではと思うのは、アメリカ経済がなんで成り立っているか理解できていないのでは疑わざるをえなくなることだ。

 アメリカが自由貿易を主導してきたのは、自国市場をほとんど無関税で開放し、そうすることで対米輸出の黒字を得た国々は、そのドルでアメリカ国債を買い込む。そうすると、ドルはアメリカに還流するので、アメリカがいくら赤字でも、ドルによる経済覇権は維持される。こういうメカニズムを、トランプは本当に理解しているのだろうか?単なる会社の社長として、赤字を減らすことがいいことだと考えているだけではないのか。

 

 

 アメリカの貿易赤字というのは、会社の赤字とはまったく違うものだ。しかも、世界貿易のほとんどがドル決済なのだから、アメリカの貿易赤字は他国の貿易赤字とは性質が違う。なぜなら、アメリカにとって、自国通貨ドルでの貿易は国内取引と同じだからだ。つまり、アメリカにとって、ある国とほかの国を2つに分け、その国とのおカネの流れを計算して、赤字だ、黒字だと言うこと自体、ほとんど意味がない。

 このままではトランプにつけるクスリはない。

 米朝首脳会談次第だが、もし、これがアメリカの譲歩となったら、トランプには「ノーベル平和破壊賞」を与えるほかないだろう。

 
[303]なぜフィンランドはギャンブル大国なのか? 同じギャンブル大国・日本とのギャップを思う
2018年 5月 31日(木曜日) 01:43

連日、気温が20度以上で快晴という「異常気象」が続くなか(5月としては59年ぶりとか)、田舎町のKannus(カンヌス)郊外で、草競馬のトラックを見つけたので立ち寄った。フィンランドでは、競馬と言えば「ハーネス」(harness:繋駕速歩競走)である。

 

 トラック脇のミニ厩舎に厩務員と馬(サラブレッドではなくハーネス用のフィンランド馬)が1頭いたので、近づいて話してみると、調教師はスウエーデンに出かけていて、この馬(3歳コルト)を預けられているとか。

「日本の競馬はどんな競馬か?」と聞かれたので、「サラブレッドの競走だ」と言うと、「そうではないハーネスかジョッキーレースか?」と言うので、「ジョッキーレースのみでハーネスはない」と答えた。

「これから、何周か調教する」と言うので、しばらくその様子を見せてもらった。馬を繋駕に繋ぎ、コースに出ると、速歩(トロット)で軽快にトラックを回っていく。広いコースにたった1頭だけ。北の大地ののんびりとした田園風景をしばらく堪能した。

 

 ハーネスは、フィンランド中で行われていて、Kannusの近辺ではYlivieska市(ユリヴィエスカ)とOulu市(オウル)に競馬場がある。首都Helsinki(ヘルシンキ)では、郊外のEspoo市(エスポー)に、フィンランド一のVermo(ベルモ)競馬場があり、この白夜の夏シーズンは、毎週競馬が開催されている。

 こちらに来て驚いたのは、福祉国家、教育国家、IT大国といったイメージとは相容れない「ギャンブル大国」としてのフィンランドの姿だ。

 

   

 

 なにしろ、ヘルシンキ中央駅の構内にスロットマシンが置かれていて、現金(ユーロのコイン)を入れてプレイができる。駅を出ると、左側の広場を挟んでカジノの「CASINO HELSINKI」が営業している。 

 さらに、スーパーマーケット、KIOSKI(コンビニ)にもスロットのマシンが置かれ、どこでも市民がギャンブルを楽しんでいる。もちろん、バーに行ってもマシンは置かれている。

 さらに、KIOSKIでは「ユーロジャックポット」という「lotto」やそのほか各種の「lotto」(宝くじ)、サッカーくじの「toto」から競馬の馬券まで、なんでもかんでも売っているし、ネットでも購入できる。

 まさに、福祉大国はギャンブル大国でもあるのだ。

 

   

 

 世界指折りの福祉国家、しかも1人あたりのGDP(2017年)が約4万6000ドルと日本(約3万8000ドル)をはるかにしのぎ、国連の「世界幸福度ランキング」(2018年3月発表)で世界一の国の国民が、なぜ、こんなにギャンブルに熱中しているのだろうか?

 ちなみに、日本はこの幸福度ランキングで51位と、完全に低迷している。

 

 フィンランドに行って驚くのは、やはり税金の高さだ。日本の消費税にあたる「VAT」(付加価値税)は24%だから、たとえばマリメッコで1万円の服を買えば1万2400円になってしまう(旅行者は免税申請すればVATは免除される)。もちろん、軽減税率があり、医療費、学費は無料で、本、薬などは10%、食料品は14%である。ただし、アルコールは29.9%で、タバコにいたっては81.3%だから、とんでもない高さではないだろうか。

 もちろん、所得税、住民税も高い。住民税は日本の場合10%だが、フィンランドでは20%。こうした結果、フィンランドの国民負担率は約65%に達しているのに、なぜか国民は不満を持っていない。

 

 

 これはおそらく、税金の使途の透明度が高いからだ。普通なら、所得の半分以上を国に持っていかれれば反乱が起こる。しかし、フィンランドは、政治家の汚職が世界一少ない国であり、税金の使途は政治家と役人が国民の目にみえるようなかたちで決められ、常に発表されている。

 首相のオトモダチが補助金をたっぷりもらって、教育者でもないのに大学をつくるなどということが起こりようがないのだ。また、公共事業に関する税金を政治家とゼネコンが山分けする“ハコモノ行政”もない。

 つまり、こんな国だと、国民は心置きなくギャンブルが楽しめるのではないだろうか。

 

 というのは、ギャンブルの収益は社会に還元されるのが、原則であるからだ。フィンランドではこれが徹底されていて、たとえばRAY(フィンランド・スロットマシン協会)というギャンブル運営組織は、その収益金のほとんどを、障害者、ホームレス、退役軍人といった人々の健康福祉のための支援資金に充てている。前記した草競馬のレーストラックがあるカンヌスにも、こうした資金で建てられた退役軍人の引退後のホームがある。

 要するに、スロットをやったり、「lotto」を買ったりして負けても(ほぼ間違いなく負ける)、その負けたおおカネが福祉に役立っているなら、負けても意義があると、フィンランド国民は納得しているのだ。

 

 ひるがえって日本はどうか? 

 日本はフィンランド以上のギャンブル大国である。競馬、競輪、競艇、オートレース、宝くじ、toto、パチンコと、メニューは盛りだくさんである。ところが、大きく違っている点がある。

 

 日本でも宝くじや競馬の収益の一部は、フィンランドと同じく社会還元されている。宝くじの場合、収益全体の約40%が発売元の都道府県などに回され、高齢化少子化対策、教育及び社会福祉施設の建設改修などの公共事業に使われている。しかし、その実態はよくわからない。役人が勝手に予算化してバラまいている可能性がある。

 また、競馬の場合、たとえば私たちが馬券を100円買うと、還元されるのは75円であり、25円のうち10円が国庫に納付される。この国庫納付金は4分の3相当額を畜産振興事業に、4分の1相当額を社会福祉事業に充当すると法律で定められているが、本当にそうなっているのかどうかは確かめられていない。

 

 また、日本最大のギャンブル「パチンコ」は平均9割を還元しているとされるが、そもそもパチンコはギャンブルとして政府が認めていない。そのため、表向き現金に換金できない、いわゆる三店方式という形態になっているのだから、ここに不正が行われる余地が十分にある。

 

 つまり、このような国では、気持ちよく負けられないのだ。ギャンブルは負けることを楽しむゲームである。そして、その負けが、社会のほかの人々に役に立ってこそ、やる意義がある。

 それなのに、この国では、赤字自治体の役人の給料の補填になったり、必要のないハコモノの建設に使われたり、成功するわけがない事業の助成金に使われたりと、プレーヤーはただの集金マシンとして扱われている。「宝くじは愚者の税金」という言葉があるが、まさにその通りである。

 それなのに、政府は性懲りもなく、IR法を成立させ、日本にカジノをつくり、新たな税収をもくろんでいる。カジノ事業者に対して約30%の「カジノ税」を課す方向というのだから、あきれてしまう。

 

 フィンランド人は貯金をしないという。将来不安がほとんどないからだ。リストラされても、病気をしても、離婚をしても、ちゃんとやっていける社会システムがつくられているからだ。それを維持するためにも、じつは、彼らはよく働いている。常に世界の最先端を走ることを心がけ、ハイテク産業では世界をリードし続けている。

 日本人もよく働いている。いくら残業をやめろと言っても、やめずに働いている。そうして、おカネを稼ぎ、将来不安のため貯金に励む。

 そしてとうとう、個人金融資産は、1831兆6564億円(2017年12月)に達した。ところが、その一方で「貯蓄なし世帯(2人以上)」は3割以上に上っている(金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」)。

 個人金融資産というのは、政府が莫大な借金をかかえ、出口なき量的緩和を続けているから、あってもやがて吹き飛ぶ可能性のある資産である。

 

 とまあ、ここまで書いてみて、これほど社会のあり方と国民の生き方が違うので、同じギャンブル大国でも、フィンランド と日本は比べられない。イギリスともアメリカとも比べられない。しかし、カジノでも競馬でも、日本でベットすることはまったく気持ちのいいものではない。本当にバカらしく思えるのだが、どうだろうか?

 
G1予想[231]第85回日本ダービー(2018年5月27日)
2018年 5月 24日(木曜日) 13:28

世界最先端の街から

ステイフーリッシュの激走にベット

 

 皐月賞で人気馬が総崩れになったことで、今年のダービーの予想は一気に難しくなった。皐月賞までの勢力図が大きく変わってしまったからだ。 

 しかし、皐月賞を例外として、それまでの実績は実績なのだから、それでダービーを予想するべきだという見方がある。なぜなら、皐月賞には、出ていれば大本命になっていたダノンプレミアムが出ていなかったからだ。

 いや、そうはいっても、皐月賞の結果は結果、尊重すべきだという見方もある。なにしろ、勝ったエポカドーロは悠々と2馬身も抜け、稍重とはいえタイムもそこまで悪くなかったからだ。2、3着となったサンリヴァルもジェネラーレウーノもそれなりに強い競馬をしている。

 

 さあ、どうすればいいのか?

 人間の心理というのは面白い。馬券を買うとなると、2つの心理の間を揺れ動く。1つは「過去の実績による安心感」、もう1つは「未知への憧れ」だ。

 1つめから考えれば、皐月賞上位馬は当然、人気になる。また、皐月賞では敗れたが、1番人気になったワグネリアン、2番人気になったステルヴィオも捨てきれない。しかし、2つめから考えれば、皐月賞に出なかったダノンプレミアムは、今回、「未知への憧れ」に最適の馬だ。それまでの4戦4勝はパーフェクトとも言える圧勝で、距離さえこなせば死角はないと、誰もが思うからだ。

 というわけで、やはりダノンプレミアムが1番人気になるだろう。

 

 しかし、当然だが、私はダノンプレミアムも、ほかの有力馬も買わない。ダービーでそんなことはするのは無謀だという人間がいる。なぜなら、ダービーはまず間違いなく3番人気以内の馬が勝つからだ。

 以下、過去20年のデータは、まさにそれを示している。

 

 1番人気【11・3・3・3】、2番人気【3・2・0・15】、3番人気【5・5・3・7】、4番人気【0・1・1・18】、5番人気【0・5・0・15】、6〜9番人気【1・0・10・69】、10番人気以下【0・4・3・171】

 

 なんと過去20回のダービーのうち、19回が3番人気以内であり、例外は2010年のエイシンフラッシュ(7番人気)だけだ。驚くべきことに、過去30年までさかのぼってもこれは同じ。エイシンフラッシュというのは、グレード制が導入された1984年以降で、最低人気のダービーの勝ち馬なのだ。

 

 それなのに人気馬でない馬を買うのか?もちろん買う。それは、私の馬券の買い方が、馬券を買うレースのあるとき、どう生き、なにを考えていたかを、最大の基準としているからだ。  

 

 その日、その時は、一生のうち1回しかない。毎年、ダービーはあるが、いつの年のダービーもそれ1回きりである。それなのに、単に的中させたいだけで、過去データやメデイアの記事、予想家の予想を参考にして、それを基に馬券を買う。そんなことを毎年繰り返して、馬券を買ってきた。そうして、常に負け続けてきた。

 もちろん、的中させたことはしばしばあるが、トータルすれば負けだ。

 

 そこで、50歳を超えたぐらいから、私は、馬券の買い方を変えた。あらゆることから自由になって、馬券を買うことにした。そして、身の程知らずのおカネを賭けなくなった。

 過去データ、実績、タイム、血統、調教などどうでもいいのだ。もっと、どうでもいいのは予想家、競馬記者の予想だ。要するに、馬券的中をゴールとしないことに切り替えた。

 こうすると、負けてもダメージはなく、純粋に競馬を楽しめるようになった。相変わらず負け続けたが、すべては納得のうえだ。もちろん、大金を賭けて「これで勝負!」なんて言っていた若い時は懐かしいが、時の流れには逆らえない。

 

 今回買うのはステイフーリッシュである。

「ステイフーリッシュ」と言えば、誰もが、「あのスティーブ・ジョブズの伝説のスピーチですね」と答える。競馬を知らない人間なら、この答しかない。

 “Stay hungry, stay foolish”(いつでもお腹をすかしていろ、そしていつもバカでいろ)と、2005年6月、スタンフォード大学の卒業式で、ジョブズはこうスピーチを締めくくった。以来、この言葉は、起業を目指す世界の若者の「合言葉」になった。

 

 

 では、なぜステイフーリッシュなのか?

 それはいま、私がフィンランドのオウルに滞在しているからだ。よって、このブログは、この街の一画にあるホテルの一室で、外の景色を見ながら書いている。

 オウルは、フィンランドのシリコンバレーというところで、世界中からIT系の起業家、つまり将来のスティーブ・ジョブズが集まってきている。ここには、世界のITテクノロジーをリードするサイエンスセンター、オウル大学、ノキアのR&D拠点と、数百のスタートアップ企業がある。

  2020年から4Gは5Gに切り替わるとされるが、この「5G革命」の中心地が、オウルである。

 こうして、ステイフーリッシュを買うと決めると、この言葉は、起業家とともに馬券プレーヤーへのメッセージではないかと思うようになった。

 「いつもバカでいろ」。それで馬券を買えばいい。

 

 結論:5枠10番ステイフーリッシュから枠連、馬連、総流し。

  

 
[302]「森友・加計問題」が続くなか、静かに確実に進行していく日本の衰退
2018年 5月 16日(水曜日) 23:36

 この2カ月ほど、「米朝首脳会談」と「森友・加計問題」がどうなるのか?ということばかり追いかけてきた。この2つの問題はまったく別の話だが、毎日の展開を見ているだけで、本当にイライラが募る。

 しかし、どんなことをやっても「解」を得なければ、日本の未来は暗い。暗すぎる。ただでさえ、人口減社会で、ゆるやかに衰退していくこの国で、1人、意気軒昂に自己弁護をしている首相を見ると、なぜか哀れに思えてきて仕方がない。

 

 日本はあなたが考えるような「美しい国」ではない。アベノミクスが成功と言う根拠などどこにもないのに、「景気はよくなっている」と、毎年実質賃金が下がっている国民に向かって言い続けている神経を疑う。

 

 次は、2010年からのGDP(国内総生産)の推移を、GDP成長率、名目GDP(円ベース)、名目GDP(ドルベース)の3つで見たものだ。

 

2010年 4.19%  500兆円 5兆7001億ドル

2011年 −0.12%  491兆円   6兆1575億ドル

2012年 1.50%  495兆円 6兆2032億ドル

2013年 2.00%  503兆円 5兆1557億ドル

2014年 0.38%  514兆円 4兆8504億ドル

2015年 1.35%  532兆円 4兆3950億ドル

2016年 0.94%  538兆円 4兆9493億ドル

2017年 1.71%  546兆円 4兆8721億ドル

 

  アベノミクスが始まったのは、2013年である。「3本の矢」でデフレから脱却し、景気を回復させると、安倍首相は高らかに宣言した。そうして、この年の4月から、黒田日銀による「異次元緩和」が始まった。

 しかし、アベノミクスはGDPにはまったく効果はなかった。

 見ればわかるように、アベノミクスになってからのGDP成長率は2%を超えたことは1度もない。また、名目GDPは円ベースでは少しずつ増えてはいるものの、ドルベースでは減っている。つまり、ドルで見た場合の日本経済は、年々縮小している。

 

 

 いまや世界経済はデジタルエコノミーが主流になり、ネットをベースとする先端テクノロジー企業が全盛の世の中になった。しかし、過去10年、日本で先端テクノロジー企業は育ってきただろうか?中国では、アリババとテンセントが時価総額でトップ10入りしているが、日本企業はトップ50まで見ても1社もない。36位に旧来型の企業、トヨタがランクインしているだけだ。

 

 「森友・加計問題」は、政治家と官僚のモラル、倫理が地に落ちたことを示した。それが、公文書改ざんと国会での虚偽答弁、言い逃れである。これが罷りとおれば、この国に正義はなくなってしまう。

 ところが哀しいのは、官庁以前に、トップ企業で、データ改ざん事件が続出してきたことだ。データの改ざんが行われていたことが発覚した企業は5指に余る。東レ、日立、神戸製鋼、三菱マテリアル、スバル、日産-----、そして東芝は粉飾会計で会社が傾くまでトップは真実を隠蔽し続けた。

 

 これが、私たちが世界に誇れる日本の姿だろうか?

 この4月、日銀はとうとう「物価上昇率2%」の達成時期を言うのをやめてしまった。もう、あとは野となれ山となれというのだろう。もはや引き返せない量的緩和を続け、国に借金を重ねさせるために、いまだに国債を年間80兆円買い続けている。

 

 そんななか、トランプが「オレはすごいんだ」ということを世界とアメリカの有権者に見せつけるためにやっている政治と外交ショーに振り回される姿を見ていると、哀しみがいっそう募る。別に日本だけが蚊帳の外でなにが悪いのか?

 暴力と恐怖で国民を支配する国と、話し合う必要などない。

 

 それにしても、「森友・加計問題なんかやっている場合ではない。もっと重要なことがある」という人々の神経を疑う。それでは聞きたいが、この国のモラルや倫理が崩壊しようとしているのに、それよりもっと重要な問題とはなにか?

 そして、この問題を長引かせてきたのは誰なのか? メディア報道だけに乗っかって政局ばかりを狙う野党は本当に情けないが、それでもなお、政府・与党の対応は、国民を舐めている。

 

 そんなことを思っていたら、「ビジネスジャーナル」で江川紹子さんの記事を読んで、本当に感銘した。論点が明確で、問題点を端的に指摘しているこういう記事こそ、ジャーナリストの仕事だと思った。

 「森友・加計問題」に右も左もない。保守もリベラルもない。これは、人間性の問題である。

 

→江川紹子の「事件ウオッチ」第103回【柳瀬氏参考人招致】地に堕ちた公務員倫理――それでも支持率が下がらないのはなぜなのか

http://biz-journal.jp/2018/05/post_23334.html

 
[301]ばかばかしくて虚しい「日米首脳会談」。ポンペオ訪朝の衝撃
2018年 4月 20日(金曜日) 01:54

トランプの別宅、パームビーチの「「マール・ア・ラーゴ」での“濃密な2日間”(と日本のメディアが言う)が終わった。ディナーもランチもゴルフもあった会談だが、日本にとってはなんの成果も得られなかったことは明白だ。

 話題になったのは、初日、安倍首相がトランプと同じ柄のネクタイをしていたことだけ。貿易問題では、鉄鋼・アルミ関税の適用除外はしてもらえず、TPP復帰も相手にされず、さらに、FTA協議に入ることを呑まされたので、完全譲歩である。

 ただ、拉致問題は取り上げてもらい、米朝首脳会談でカリアゲ正恩に要請してもらえることになった。ただし、アメリカにとっては、拘束中のアメリカ人3人の解放が先で、それと合わせて「同じ人権問題」として議案に乗せるということに過ぎない。

 

 これでは、どう見ても「成果なし」だが、そう伝えないところが日本のメディアの悲しいところだ。また日本政府も、菅義偉官房長官が「「北朝鮮や経済で非常に率直で突っ込んだ意見交換ができた。極めて有意義だった」と言うように、立場上当然だが、これを認めない。いつでも、どんなときでも、日米首脳会談は「有意義かつ成果がある」ものなのだ。

 

 そこで、ここに大きな疑問があるので、そのことをどうしても書き留めておきたい。すでに「Yahoo個人」欄に書いたが、この首脳会談中に明らかになったマイク・ポンペオCIA長官の“極秘訪朝”である。

 トランプは、17日の『ワシントンポスト』紙の報道を受けるかたちで、18日、ツイッターで、こう述べた。

《Mike Pompeo met with Kim Jong Un in North Korea last week. Meeting went very smoothly and a good relationship was formed. Details of Summit are being worked out now. Denuclearization will be a great thing for World, but also for North Korea!》(マイク・ポンペオが先週、北朝鮮で金正恩と会った。会談はとてもなめらかに進んで、いい関係が築けた。首脳会談の詳細はいま調整中だ。非核化は世界にとっても、もちろん北朝鮮にとっても最高なことになるだろう) 

 私の疑問は、この事実をはたして日本政府は、事前に知らされていたのかどうかということだ。もし安倍首相が、ポンペオ訪朝を『ワシントンポスト』紙の報道で初めて知り、トランプ大統領のツイッターで確認したとしたら、これはとんでもないことだからだ。そうなると、日米同盟とはいったいなんなのか?と言いたくなる。

 解任されたティラーソン前国務長官は、自分の解任をトランプのツイッターで初めて知ったというのだから、その可能性はないとは言えない。実際、金正恩の訪中を日本政府はまったく知らされていなかった。

 

 ポルノ女優ストーミー・ダニエルズとの下半身スキャンダルとロシアゲートで追い詰められている史上最低の大統領に、いいようにあしらわれているとしたら、本当に悲しいとしか言いようがない。このまま行けば、11月の中間選挙で共和党は負けるだろう。そうなると、トランプは「弾劾」される可能性が高い。

 こんな人物に、極東の平和が委ねられ、日本はなにもできない。それなのに、国内で与野党が激しく争っている。ばかばかしくも、虚しくもある、日々刻々だ。

 
[300]「森友・加計学園問題」も深刻だが、アベノミクスの失敗も深刻。日本経済は本当におかしくなってきた。
2018年 4月 11日(水曜日) 16:04

森友・加計学園問題で新事実が次々飛び出し、安倍政権が持たない状況になってきた。それにしても、安倍総理も昭恵夫人もなぜこのような人々と親しく交際してきたのか?そして、なぜ取り巻く人々(官邸から各省庁まで)はみな、本当のことを言わないのか?

「総理案件」「総理夫人案件」だから、このようなことが起こったのは、関係性を証明する証拠がなくとも、ストーリーとしては、もはや明白になった。

 

■国家は民間オーナー会社と同じなのか?

 

 民間のオーナー会社で考えてみればいい。社長が「オレの友人だから」「家内がねえ」と言っただけで、なにが起こるか?直接命じなくとも、「よろしく」の一言で終わりだ。

 もちろん、なにも言わなくとも、また「よろしく」の一言がなくとも、物事は動く。これを「忖度」と言って日本独特のものなどと言っている人間がいるが、信じがたい。そんなものは欧米でも同じだからだ。これは「unspoken order」であるから、立派な命令だ。

 

 ただ、これは、民間のオーナー会社なら許される。会社は株主や従業員のものでなく、オーナー社長のものだからだ。しかし、民主主義国家はオーナー会社ではない。資産は国民のものだ。これが、森友・加計学園問題の本質で、このことをもっと明白に、テレビのコメンテーターたちは解説すべきだろう。与党の政治家も官僚も真剣に認識すべきだ。

 

「首相案件」などと官僚は言わない、「総理」と呼ぶと言っていた方がいたが、それがいったいなんの証明になるというのだろうか?意味としては同じではないか?

 

■ルールよりコネ、真実より嘘が強い国

 

 不思議なのは、「こんな大事な時期(予算審議、北朝鮮問題など)にこの問題にかまけていいのか?」という議論があることだ。どう考えても、森友・加計問題のほうが重要ではないか。なぜなら、この問題をこのまま放置しておけば、この社会は権力と結びついた人々が一方的にトクできる社会になってしまうからだ。さらに、いくら嘘をついても咎められない、むしろトクできるという社会になってしまう。

 ルールよりコネ、真実より嘘が強いなら、誰が真面目に働き、努力するのか?日本は「クローニー・キャピタリズム」の国なのか?それ以前に、嘘をついてはいけないという人間として最低限のモラルもない人々の国なのか?

 というようなことを思うこの頃だが、森友・加計学園問題も深刻だが、日本経済も深刻な状況になってきた。なにしろ、異次元緩和という「異常な状態」を、今後も続けないと持たないからだ。それを象徴するのが、森友・加計学園問題が騒がれているなかで、大きくは報道されなかった、いくつかの出来事だ。

 

 ■NY市場と大きく違ってきた東京市場

 

 まず、4月9日、東京の株価は先週末のNY株価が572ドルも下げたにもかかわらず、110円余り上げて約1カ月ぶりの高値を付けた。日経平均はNYダウのコピー相場である。すなわち、NYダウが下げれば連動して下げる。しかし、今回はそうはならなかった。なぜか?

 

 日曜日にトランプが、お得意のツイッターで、中国への制裁関税に関し「知財で取引は成立するだろう」と言ったので、貿易戦争に対する懸念が後退したからだと解説しているアナリストがいた。確かにそれもある。

 しかし、そんなことだけが理由ではない。単純な話、日銀が買い支えているから、東京の株価は大きく下がらないのだ。

 現在、東京市場のメインプレイヤーは日銀と年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などの公的資金、それに外国人投資家である。とくに、外国人の売買は東証の売買代金の約7割を占めている。 

 

■日銀が「爆買い」で株価を支えている

 

 東証のデータを見ると、1〜3月を見ると、外国人は先物を含め8.7兆円を売り越している。また、財務省が発表した3月の対外対内証券投資(指定報告機関ベース)を見ると、外国人による日本への株式投資は、売りが買いを4兆416億円上回る「売り越し」で、比較可能な2014年1月以降で最大の売り越しを記録している。外国人は、昨年は「買い越し」だったが、今年は売りに転じている。

 この外国人の売りを日銀が買っている。日銀は3月だけで、ETFを過去最大規模の8333億円も買っている。

 

 つまり、外国人が売って、それを日銀が買っていることで、日本の株価はあまり下がらない。日経平均は、NYダウと比べると、年初来の下げ幅は小さい。2月初めにNY株の暴落に連れて下がったとき、2万円割れまで行くかと思われた日経平均は、依然として2万1000円台をキープしている。まさに、「官制相場」で、日銀が「爆買い」で株価を支えているのである。

  アベノミクスが始まって5年、日本の資本市場は大きく歪められてしまった。いまや日本は、中国に勝るとも劣らない国になってしまった。これでいいのだろうか?

 日銀はいまも、年間80兆円のペースで国債を購入し、3兆円〜6兆円のペースでETFを買い続けている。

 

■黒田総裁の異例の続投と経済指標の悪化

 

 こうしたなか、同じく4月9日に、日銀の黒田東彦総裁の再任2期目がスタートした。日銀総裁の任期は5年だが、再任は珍しく、今回の再任はなんと60年ぶりという異例の出来事である。

 黒田総裁は、安倍首相や麻生財務相と会談後、会見してこう述べた。

「政府との共同声明を堅持し、物価安定目標の実現を目指す」「強力な金融緩和を粘り強く続ける」「毎回の金融政策決定会合で、経済、物価情勢や金融市場を勘案し、適切に決定する」

 ようするに現状維持、このままバズーカ砲を打ち続けるということ。そうしなければ、日本経済はもたないのだ。

 

 実際のところ、経済指標は悪化している。内閣府が発表した3月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、近畿2府4県の現状判断指数(季節調整値)は、前月比0.6ポイント下がって50.1になった。好不況の分かれ目となる50や全国平均(48.9)は上回ったものの、悪化は3カ月連続である。

 オリンピックを控えた東京は、いまや日本全体の景気の指標にはならない。しかし、関西圏の指数は日本全体を反映すると考えられる。それが3カ月連続で下がっていることは、政府とメディアがいくら「いざなぎ景気を超える戦後最長の景気拡大」と言っても、それが単なる数字だけに過ぎないことを表している。

 4月2日に日銀が発表した3月の「全国企業短期経済観測調査」(短観)もよくない。大企業製造業の業況判断指数(DI)はプラス24で、前回調査(昨年12月)より2ポイント下がっていて、これは、じつに2年(8期)ぶりの「悪化」だった。景気が悪くなっていると感じている大企業が多いということである。

 

■トランプの「(日本の)そんな日々はもう終わり」発言

 

 このような状況のなか、来週、安倍首相は渡米し、“オレさまはすごく安定した天才”(a very stable genius)と思っているトランプとの首脳会談に臨む。

 これは、北朝鮮問題を見据えた重要な首脳会談とされるが、もう一つ、日本にとって大きな問題がある。自分の無知を誇りにしているトランプが勝手に決めた「鉄鋼・アルミ関税」の適用除外だ。

 

 ここで、思い出すのが、3月22日、鉄鋼・アルミ関税発効の前日、トランプのホワイトハウスでの発言だ。このトランプ発言を報道で知って、世耕弘成経済産業相は青ざめたという。

 トランプはなんと言ったのか、ここに記しておきたい。

 

《And I will say, the people we’re negotiating with ―smilingly, they really agree with us. I really believe they cannot believe they’ve gotten away with this for so long.》(もう一つ言ってやろうか。われわれの交渉相手はいつもニコニコしながらわれわれと合意する。しかし、ずっとごまかし続けられると信じているとしたら間違いだ)


《I’ll talk to Prime Minister Abe of Japan and others ―great guy, friend of mine ―and there will be a little smile on their face. And the smile is,“I can’t believe we’ve been able to take advantage of the United States for so long.”So those days are over.》

(日本の安倍首相とそのほかの人たちに言ってやろう------まあ、彼はグレートでオレの友人だがね。彼らはいつも微笑みを浮かべている。その微笑みは「こんなに長くアメリカを出し抜けると思ってなかった」っていう微笑みだね。でも、もうそんな日々は終りだ)

■アベノミクスで自由がなくなってしまった

 

 ここまでコケにされたら、普通は中国のように報復措置を発動させるしかないが、“ポチ外交”が染みついてしまった属国日本の首相にこれができるだろうか?

 それ以前に、ポルノ女優ストーミー・ダニエルズとセックス(1回だけ)して、それを口外しないように13万ドルを支払ったという老人を、どうやって説得しようというのか? 

 

 ラストベルトの街で、朝からダイナーでクアーズのビールを飲み、ステーキをたいらげるプアホワイトのために制裁関税を思いつく“錆びついたアタマ”の持ち主に、いまさら自由貿易の大切さを熱弁しても、聞く耳を持たないだろう。

 

 アベノミクスになってから、日本は政治も経済も自由が束縛される、活気のない国になってしまった。異次元緩和で金融市場は抑圧され、本来の資本主義市場はなくなりつつある。このままでは、人口減が進むなかで、日本経済はますます衰退していくとしか思えない。

 

 別に低成長、あるいはイーブンでもかまわない。アベノミクスの3本の矢「金融緩和」「成長戦略」「財政出動」は本当に必要だったのか?

 そんな余計なことなどしないで、人口が減っているのだから、素直に縮小均衡に舵を取り、小さな国家を目指せば十分にやっていけただろうに、それをやろうとしなかった。政治家は、できもしない公約(経済成長、経済回復)を掲げ続けている。このままでは、いずれ大きなクラッシュがやってくる可能性が高い。

 
[299]その先の日本が見えない。佐川喚問後のこの国の空気について
2018年 3月 28日(水曜日) 22:42
佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問が終わった。

「ゼロ回答」を見出しに掲げている新聞もあるが、彼が証言を拒否したことを丁寧につなげていけば、全体のストーリーはできたも同然だろう。拒否したこと、否定したことのほうが真実であるのは、誰にでもわかることだ。

 それにしてもなぜ、ここまで嘘をつき、彼はなにを守ろうとしているのだろうか? まだ60歳だけに、残りの人生は長い。その人生を汚名を着せられたまま生きていくことで、彼は本当にいいのだろうか? それとも、なにかの裏取引があり、残りの人生は約束されているのだろうか?

 

 いま言えることは、おそらくこのまま、この中途半端な状況が続いていき、安倍政権はじわじわと求心力を失っていくということだ。だから、国民としては、じっと様子を見続けるしかない。

 この国は空気の国であり、はっきりした空気が形成されない限り、何事も動かない。まだ、安倍内閣を倒していいのか、このまま継続させるのか、空気の流れができていない。与野党とも、どうしていいかわかっていない。

 なにしろ、森友問題以後の展望が誰にも見えていないのだから、ここは動きようがない。野党は、ともかく政局にして、安倍政権を倒せばいいと思っているようだが、それでは問題は解決しない。ただ、このままいくと、検察の捜査が日本の行く末を決めることになってしまう。これは非常にまずい。

 

 いずれにせよ、日本を取り巻く情勢は激しく動いている。これ以上、森友問題を続けるのは時間の無駄だ。そろそろ安倍政権とはなんだったのか?を総括すべきだろう。

 この5年間で、日本の経済力、国際社会におけるプレゼンスはいちじるしく低下した。単に円を擦りまくった量的緩和で、日本の金融はフリーズしてしまった。景気もよくならなかった。賃金は上がらなかった。

 そんななか、民間のがんばりがあるから、なんとか日本は持っている。与党だろうと野党だろうと、右だろうと左だろうと、日本の政治権力は、国民にとって害があるだけなことが、今度のことで判明した。国内で勢力争いしている場合ではない。官僚も同じで、省益を守り、政権に媚びて自分の地位を守るような国民無視の生き方をしている場合ではない。

 

 これを機会に、政治の力を徹底的に弱める国づくりをするほかないのではないか? そして、少なくとも、嘘のない、正義がまかりとおる国にしてほしい。

 佐川喚問後、「AERAdot.」に掲載された自民党の村上誠一郎衆院議員のコメントが、ほかのすべてのコメント、論評のなかで、もっとも胸を打った。なので、それを忘れないために、以下、転載してみたい。 

 

「安倍3選ない」「財務省が悪いじゃ正義ない」自民議員が佐川喚問後、激白 

(西岡千史2018.3.27 18:32)

 安倍首相も麻生財務相も、竹下(登・元首相)さんが予算通過と引き換えに退陣をしたように、大所高所の判断する時期にきた。これ以上長引けば、政治や行政に対する国民の不振がさらにつのる。そして、官僚たちに物理的なしわ寄せがいく。これ以上、あらゆる意味で犠牲者を出してはいけない。

 みんな原点に帰ってほしい。森友学園問題、加計学園問題、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)の日報問題にしても、すべて安倍首相の心の友や後継者にしようとした人たちを人事や仕事で優遇したことで、問題が起きた。ところが、問題が起きると「財務省が悪い」「防衛省が悪い」「文科省が悪い」となる。そもそも、身から出たサビの問題に対して、最高責任者が責任をとらないのが最大の問題だ。

 今まで築き上げられてきた大蔵省や財務省の権威が失墜して、もはや取り返しがつかない事態だ。私が大蔵委員長をやっていた頃、大蔵省の接待疑惑があった。だが、今回の事件は全然次元が異なる。

 今回の公文書改ざんでは、財務省が1年間平気でウソをついていたということ。国会の軽視だ。国会の軽視とは、国民を軽視しているということだ。政治家や公務員が国民を軽視して、公僕といえるのか。

 佐川さんだって、優秀なんだからわかっているはずだ。その佐川さんがなぜ、背任罪や公文書偽造などの犯罪者になりかねない危険なことをやらざるをえなかったのか。そのことを明らかにしなければならない。

 佐川さんは、福島から刻苦勉励して財務省の役人になった。なのに、彼だけがすべてを抱え込んで「自分がすべてをやりました」と。これでいいのか。佐川さんの人生は何だったのか。どういう顔をして地元に帰れるのか。佐川さんだけを悪者にして、犯罪者にしていいのか。メディアも、もっと佐川さんの人生を考えてあげてほしい。

 政治や行政はジャスティス(正義)が必要。正義がなかったら、世の中が闇になる。このままでは財務省を筆頭に、日本の霞が関は解体する。自民党の支持率も下がる一方だ。(今年秋の自民党総裁選で)安倍3選はない。

 
[298]あまりに“哀しき”官僚人生。なぜ、モラルや倫理を捨ててまで、おバカな政治家、権力に従うのか?
2018年 3月 15日(木曜日) 21:57

「森友文書改ざん」騒動が続いている。今回の発端は3月2日の朝日新聞報道。以来、時間があればテレビのワイドショー報道を見続けてきたが、もっともポイントを押さえていたのは「ひるおび」ではないかと思う。

 ほかの番組は、全体像がつかめていず、司会者の技量不足、コメンテーターの偏りなどにより、要点を得ていない。その結果、この事件のストーリーが見えてこないからだ。

 

 いま、表に出ている官邸作成のストーリーと、本当のストーリーは全然違う。しかも、このストーリーの根底には、日本の組織が持つ致命的な欠陥、“ガラパゴスシステム”とも言うべき「終身雇用・年功序列」がある。そして、その前提の上にできた「内閣人事局」制度が、すべての元凶である。

 だからこのシステムを変えない限り問題は解決せず、ここで佐川・前国税庁長官、麻生財務大臣、安倍首相、そして安倍明恵夫人ことアッキーを“血祭り”にあげても問題は解決しない。

 なんで、国民の財産である国有地を、「右翼ビジネスは儲かりまっせー」と考えた“エセ教育者”籠池泰典氏にタダ同然で与えなければならなかったのか? 近畿財務局の人間も、財務省の人間も、いま本当に自分を恥じ、“哀しい”思いでいっぱいだろう。「忖度」などと言っているが、そんなことはありえない。あったというなら、それは「忖度したのではなく」、無理やり「忖度させられた」と言うべきだ。

 

 『NYタイムズ』紙ほか欧米メディアが“極右”(ultra-right)と呼ぶ「日本会議」には、本物の愛国者、保守人間もいるが、籠池氏のような“エセ保守”もいることを、首相もアッキーも知っていなかったのか?

 すべての発端は、2014年4月25日に、アッキーが森友学園を訪問し、園児たちのロボット化された“愛国挨拶”にナイーブに感涙してしまったことにある。このときの写真を見せびらかせ、権力との仲の良さをちらつかせ、籠池氏はまんまと払い下げ交渉に成功してしまったからだ。

 ここから、「却下するはずの案件」は「政治案件」になってしまった。さらに、同年の5月30日には、内閣人事局が設置され、官僚幹部の人事は官邸が握ることになった。

 

 要するに、もう1年以上も続いてきた「森友騒動」は“アッキード事件”であり、政官の一種の“組織病”なのである。首相夫人アッキーが登場したことで、首相の取り巻き、その下の官僚組織は、真実よりも「つじつま合わせ」「言い繕い」が最優先になってしまった。上には逆らわない。たとえ、筋が通らなくとも、法に触れようと、上の言うことに従う。

 これは、日本の組織特有の“風土病”と言い替えてもいい。本来なら、嘘をつくことは重大な犯罪、モラル、倫理に反するのに、これができてしまうのは、上が下の生殺与奪権を握っているからである。逆らったら、それで人生が終わりになってしまうシステムだからだ。

 それが、「終身雇用・年功序列」システムであり、民間ではもう成立しなくなってきたこのシステムは、官僚組織ではいまも強固に生き残り、その実権を官邸が握ったことで、本当におかしくなってしまった。

 

「終身雇用・年功序列」システムは、「嘘をつく」「人を欺く」=「偽装」の“源泉”である。これは、これまでこの国で起こった偽装事件を振り返ればわかる。

 つい先日も、神戸製鋼所のデータ改ざんが発覚したと思ったら、三菱マテリアルにも同様な問題が発覚、さらに日立製作所は国土交通省の認定に適合していないエレベーターを1万台超も設置していたことを発表した。

 さらに遡ると、日産自動車と三菱自動車による燃費不正事件や、自動車部品メーカーのタカタの欠陥エアバッグ事件がある。また、東芝の粉飾決算事件も、データを偽造して株主と投資家、世間を欺く行為だった。

 これらの偽装は、ほぼどれも組織ぐるみであり、上からの圧力がなかったら起こっていなかった。

 偽装事件はまだまだ、山とある。2001年に発覚した牛肉偽装事件に端を発する一連の「食品偽装事件」もデータの偽造だった。雪印の牛肉、ミートホープ、赤福餅、白い恋人、船場吉兆など、みな虚偽記載を行なっていた。

 さらに、2005年に発覚した「耐震構造計算書偽造事件」も同じだ。この事件は、裁判で A建築士の個人犯罪とされたが、そうではあるまい。しかも、それから10年たった後、今度は、旭化成建材のデータ改ざんが発覚した。

 偽装と言えば、あの「STAP細胞論文」もそうだ。しかも、STAP細胞事件では、本当に痛ましい自殺者まで出ている。

 

 いま、メディアと野党は、政府と財務省を追及することにやっきになっているが、このような日本の「風土病」をどうやってなくすかを、真剣に考えるべきだろう。なにしろ、この国では、食材、食品、鋼材、建築材、家、クルマ、企業決算書、研究論文など、ありとあらゆるものが偽装されているのだ。

 いったい誰が、上からの圧力がなければ、そんな馬鹿げたことをするだろうか?(自己利益のためにする例もあるが、それはわずかな例しかない)

「終身雇用・年功序列」システムの中で生きなければならない官僚の人生は、本当に“哀れ”だ。このシステムは、年齢による差別を前提としているので、能力・実績はまったく評価されない。役所では、入省年次が絶対で、その序列は終身続く。評価されるのは、「よく動く」「よく言うことをきく」「よく気がきく」だけだから、いくらプロの仕事をしようと、国民のために尽くそうと、給料は上がらず、昇進もできない。

 しかも、官僚の給料は、働き盛りの30代、40代のときに、民間の優良成長企業に比べたらはるかに安い。

                                               

 要するに、官僚というのは、なにがあってもじっと我慢する職業なのである。したがって、給料は「我慢料」であり、「滅私奉公料」であり、今回のケースでは「嘘つき料」だ。ただし、我慢をし続けると、雇用は終身保障され、人生の最終段階では大きな見返りがある。だから、みな我慢するようになっている。

 たとえば、佐川氏の場合、局長になったので給料は年間2200万円ほどになり、“上がり双六”としての国税庁長官をやれば退職金は約7000万円になる。そしてその後は、独法や息のかかった民間金融機関などに「天下り」し、さらに「わたり」を繰り返せば、数億円を稼げるようになっている。

 しかし、そのためには、人間性を殺し、モラル、倫理観を捨て、文書改ざんをやったうえ、嘘までつかなければならない。

 佐川氏に限らず、官僚、とくに財務省官僚はみなこの国のトップエリートであり、東大を出た優秀な人々だ。しかも、志(こころざし)を持って官僚になっている。それが、なぜ人生の後半になって、自分と同世代の“おバカ政治家”にこき使われ、さらに“おバカ野党”に人格攻撃までされなければならないのだろうか?

 

 佐川氏が故郷いわき市から東京に出て、東大入学を目指して必死に受験勉強していた1970年代の後半、安倍首相は、成蹊大学を卒業すると南カルフォルニア大学に“遊学”し、その後、1979年に神戸製鋼所に”コネ入社“している。そして、1982年に、当時外務大臣だった父・晋太郎の下で秘書官になった。同じ年、佐川氏は公務員試験を突破して、念願の大蔵省(当時)に入省している。

 それから、35年後、なぜ彼は、国会で虚偽答弁をし、公文書改ざんをしなければならなかったのか? いったい、誰のためにしたのか?

 佐川氏の上司、麻生太郎財務相は、佐川氏より一世代以上年上である。しかし、この「浪花節だよ人生は」及び「財閥御曹司」大臣は、1960年代に学習院大学を卒業すると、スタンフォード大学大学院、ロンドン大学政治経済学院に留学したことになっている。しかし、2007年以降の公式HPでは、海外留学歴は削除されている。留学ならぬ“遊学”時代は、日本から送られてくる漫画を楽しみにしていたという有名な話がある。

 この人物と首相に佐川氏は、国税庁長官就任にあたり「適材適所」と言われたのである。

 

 人間が能力で評価されず、「御奉公」で評価される「終身雇用・年功序列」システムは、一刻も早く改正されなければならない。そうしなければ、官僚はいつまでたっても国民のために働かず、“哀しき”下僕人生を続けるだろう。

 そして、日本の国力は、限りなく落ちていくだけだろう。国と国民のためを考えて行動している人々が、これほどまでに少なくなって、本当にこの国は大丈夫なのだろうか?

 
[297]「森友書き換え」「南北首脳会談」「習近平皇帝」「#Me Too」-----今年の春はとんでもない春?
2018年 3月 08日(木曜日) 01:01

やっと、春めいてきた。今週はまだ寒さが残るが、来週からは気温も上がり、春らしくなるという。しかし、今日までのことを思うと、これからやってくる春は“とんでない春”なりそうだ。そこで、時事雑感を以下、記しておきたい。

 まずは、なんといっても、「森友、書き換え問題」。永田町、霞ヶ関は大荒れだが、もはやここまでくると、日本の社会、組織は本当におかしい、腐ってしまったとしか言いようがない。嘘と誤魔化しがここまで横行していいのだろうか?

 すでに、佐川長官“サイレンス逃げ切り”問題に関しては、産経のウエブ「IRONNA」に寄稿した。

 [佐川長官が国税庁史上初の「偉業」を達成する日は近い]→http://ironna.jp/article/9091

 ここで言いたかったことは極めてシンプル。このままだと、大人たちは子供たちに「嘘をついてはいけません」と教えられなくなる。そんなことをすると、子供たちは大人になって、嘘をついたほうがトクできる。正直に生きるとバカをみると知って、深く絶望するからだ。“国民の奉仕者”であらねばならない官僚の人生は、すべての日本人のロールモデルでなければならない。

 

 書き換えも同じだ。そうして、真実を隠蔽する、誤魔化すほうがトクできる、そうするほうが正しいとなったら、この社会はどうなるのか?

 結局、嘘をついたら損をする。人生は失敗する。こういう社会、組織を構築しない限り、問題は解決しない。与党も野党もない。政局になろうと、安倍内閣が崩壊しようと、問題は解決しない。

 日本人はここで生き方を改めないと、中国人、韓国人を非難できないだろう。中国でも韓国でも歴史は捻じ曲げられ、真実よりも、何十回、何百回と繰り返される嘘が優先する。結局、日本も同じではないかと言われたら、答えようがない。

 

 続いて、北朝鮮。なんと、ロケット小僧の3代目が「非核化の可能性」を示唆したと大騒ぎだが、これはペテンに決まっている。よく考えてほしい、小僧は何一つ譲歩していない。このまま話し合って、最終的に首脳会談、経済封鎖解除→経済支援では、世界秩序は崩壊する。核を持って脅かせば、世界は従うとなれば、それはもはや自由世界ではない。

 本当にあるのか、南北首脳会談、そして米朝会談? そんなもの、やってはいけない。選択肢は武力による北の政権排除しかない。

 しかし、トランプはこれを決断できないだろう。彼にはこのままでは自由世界が崩壊するという認識がゼロだ。アメリカの世界覇権が消失するという認識もない。

 このとんでもない時代錯誤大統領は、保護関税を“おもちゃ”にしだした。日本も、この関税の餌食にされる。彼から、一刻も早く核のボタンとツイッターをとりあげてほしい!

 

 さらに中国。ロシアでプーチンが「4選」されるので、この先も“陰謀帝国”が続くと思ったら、今度は習近平が本当に「中国皇帝」になってしまった。これまでに人民共和国の憲法は25回書き換えられているが、今回の書き換えは、「終身国家主席」である。

 これで、2049年までに中華民族が偉大なる復興を遂げ、世界帝国になる「中国の夢」は永遠に続いていく。こんな迷惑な話はない。

 この件に関して本当に絶望的なのが、トランプが別宅のマールアラーゴの献金者へのスピーチで、「中国は偉大であり、習氏が偉大な紳士であることを忘れるべきではない。いまや終身の国家主席だ」と述べ、「習氏にはそれができた。素晴らしいと思う。われわれもいつかそれを試みるかもしれない」と続けたことだ。冗談にもなっていない。

『NYタイムズ』も『ワシントンポスト』も、「われわれの対中政策は失敗した」と言っている。また、英『エコノミスト』も「われわれは中国を見誤っていた。自由世界に引き入れたことは間違いだった」と言っている。

 このように、いまや世界中で自由世界の後退が続いている。この先、どうなっていくのか? 気が気ではなくなってきた。

 

 それなのに、自由世界でいま最大のムーブメントは、「#Me Too(ミー・トゥー)」運動だ。この間の平昌五輪のスノボ・ハーフパイプで、平野歩夢の金メダルを最後に吹っ飛ばしたショーン・ホワイトも「#Me Too」洗礼を受けていたのには驚いた。

 彼は、自身がやっていたバンド「Bad Things」の女性ドラマーから「勃起ペニス写真を送りつけてきた」「スカトロ動画を見るように強要された」「露出度の高い服を着ろと言われた」と、セクハラで訴えられていたのだ。ただし、この裁判は昨年示談で決着している。

 

 さて、今週の日曜からは、大相撲春場所が始まる。こちらも、昨年からずっと話題が引っ張られてきたが、今回は「あるのか貴ノ岩10連勝」「あるのか稀勢の里涙の復活orやっぱり引退」「白鵬、カチワリできず4連敗」なんてことが起こるだろうか?

 競馬もクラシックが始まる。しかし、こちらは波乱のない、安定した春になりそうだ。なぜなら、今年ほど中心馬が決まっている年は珍しいからだ。先週の弥生賞で牡馬はダノンプレミアム、チューリップ賞で牝馬はラッキーライラックが抜けていることがはっきりした。

 南北会談なんかより、はるかに、桜花賞、皐月賞が待ち遠しくなってきた。 

 
[296]小平奈緒1.20倍、羽生結弦2.25倍、渡部暁斗4.30倍-----平昌オリンピック注目選手のオッズ
2018年 2月 10日(土曜日) 12:15

平昌オリンピックが開幕した。昨日の報道を見るかぎり、まるで“平壌オリンピック”といった印象。美女応援団、三池淵管弦楽団、アイスホッケー女子統一チーム、金正恩の妹・金与正などの映像が繰り返し流れ、選手や競技はかすんでしまった。

 もちろん、今日からは競技に注目が集まる。そこで、以下、日本選手が出場する注目競技のオッズを書き留めておきたい。参照:「10Bet Japan」

                         

 まずは、金メダルが鉄板とされる女子スピードスケートの小平奈緒。500メートルでは1.20倍、1000メートルでは1.50倍で、いずれもダントツの1番人気になっている。1500メートルの高木美帆も1番人気で1.52倍。女子チームパシュートの日本も1番人気で1.20倍。この人気通りに決まれば、スピードスケート女子だけで日本は金を4つ取ることになる。

 次いで、日本人選手で1番人気になっているのが、ノルディック複合の渡部暁斗。ノーマルヒル、ラージヒルとも4.30倍。抜けた人気ではないので、ちょっとしたミスで人気に応えられないケースも考えられる。

 人気競技のフィギュアスケートでは、男子シングルの羽生結弦は、休養明けのため2番人気で2.25倍。なんと宇野昌磨が1番人気で2.00倍だ。ネイサン チェンは2.75倍で3番人気だが、4回転を4回以上決めれば逆転があるので、予断は許さない。
 女子の宮原知子は、ロシア2人が鉄板なので、メダル圏外の評価で16.00倍。

 金メダル期待競技のスノーボード男子ハーフパイプ の平野歩夢は3.00倍で2番人気。1番人気はショーン ホワイトで2.25倍。スノーボード女子ビッグエアの 岩渕麗楽倍は3番人気で4.25倍。1番人気はジュリア マリノで3.75倍、2番人気はアンナ ガッサーで3.85倍と、混戦だ。
 
今シーズンが始まる前は、高梨沙羅で鉄板と思えたスキージャンプ女子ノーマルヒル/HS109 は、W杯で7勝を挙げたノルウェーのマーレン・ルンビが1番人気で1.71倍。2番人気がカタリーナ アルトハウスで4.00倍。高梨はなんと4番人気8.00倍と人気を落としている。ちなみに伊藤有希は14.50倍。オッズと今シーズンの成績を見るかぎり高梨の金は期待できない。

 

平昌オリンピック・スピードスケート、女子500m

(18日、20時~)

   ・小平奈緒:1.20
 ・李相花(イ サンファ):4.50
 ・ブリタニー・ボウ:11.00
 ・郷亜里砂:17.00

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